塚本郷~都心に一番近い里山

さいたま市の西の端、荒川堤外地(堤防の河川側)に広がる、塚本地区。都心から、わずか22kmの位置にあるこの地域は、荒川中流域の原風景が広がる、さいたま市内最後の里山の一つです。

土地の魅力

この地域には条理遺構が確認されており、古く奈良時代(1200年以上前)から水田での稲作が営まれてきました。荒川や入間川の氾濫原では、川が運んだ土が積もった微地形をうまく活かして田んぼが配置され、水路から田んぼ、田んぼから田んぼへと水が流れていきます。

地区内には、古い河川跡や、雑木林などもあります。また、かつて人が住んでいた頃に土を盛って家を建て屋敷林がそれを囲んでいた「水塚(みづか)」の跡などもあります。市の指定文化財に登録されている薬師堂や、小さな神社なども残り、かつての集落としての面影を残しています。

そんな環境のなかでは、今もたくさんの生きものたちが息づいています。田んぼと雑木林などが連続してつづく場所にしか生息しないニホンアカガエルや、春に地面を埋め尽くす絶滅危惧種のノウルシ、メダカやドジョウといった、かつては当たり前のようにいた生きものたちが、今も生息しています。

お知らせ

無農薬・無肥料田んぼで稲刈り@塚本郷 参加者募集のお知らせ※追加募集有り

少なくとも1200年以上続き、メダカやフナが水路からあがってくる、田んぼ。どこの地方?と思われるかもしれませんが、都心からわずか22kmのさいたま市内にある別世界「塚本郷」です。 2022年シーズン、農薬&化学肥料不使用 …

昆虫スペシャリスト須田さんと秋の虫探し~「塚本昆虫大図鑑」づくりAct.1・参加者募集のお知らせ

塚本郷Re農vationプロジェクトでは、昆虫のスペシャリスト・須田真一さんの案内による「秋の虫探し」を、9/4(日)に開催します!※8/21から延期しました。 幼少の頃から、昆虫一家に育った須田さん。特にトンボやチョウ …

Re農vation-農を中心とした地域の再生へ

大きな変化の渦中にある今、この里山を未来に引き継いでいくために、私たちは農を中心とした地域再生「Re農vation」を提案します。

これまでのこの地域での農業は、お米などの農作物を生産し、それを販売することで収入を得る「モノの生産」を中心に成り立ってきました。しかし、米の需要と価格が下がる中で、それは限界に近づいています。

そこで、地域の農地を維持し、里山の環境を再生していくために提案するのが、里山の中で暮らしてきた人々の営みや風景や景観などを楽しむ“コト”を産み出す「Re農vation」です。

メダカやドジョウが川から登ってくる田んぼでの稲作体験を中心に、シーズンを通して地域をまるごと体験・体感できる田んぼ体験からスタートします。圃場整備をしていない、土地に合わせた形をしたヒューマンスケールな田んぼや、カエルや鳥の声。田んぼから田んぼへ緩やかにかけ流されていく水の流れや、林を渡る風。季節の変化を感じながら、荒川に抱かれたこの土地の成り立ちから、地域に残る文化などをまるごと体験できます。

このほかにも、竹藪となってしまった水塚を切り開きながら竹炭や道具などを作るワークショップや、切り開いた水塚を使った休憩所の開設、屋敷林の再整備などを通したアカガエルの生息環境の改善や、旧河道の整備などによるホタルの復活や埼玉県の蝶・ミドリシジミの生息地の拡大など、地域を未来に引き継ぐための「コト」の創出を目指していきます。

そのためには、地域の皆様の理解と協力が欠かせません。少しずつ、丁寧に、実際の行動を以て信頼を得ながら、できることから少しずつ、実現を目指していきたいと考えています。

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